この記事で取り上げているのは、かつて下関市にあった路面電車の山陽電気(現 サンデン交通)です。山陽電気道ではありません。

今年も、恒例の公民館の文化祭に模型を出展します。
出品予定の作品として、現在、200形206号と、300形を制作中なのですが、ここで思わぬ問題が発生しました。

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(画素の少ないwebカメラで撮影した写真ですが、左が300形、右が200形です)


山陽電気軌道の電車の塗装は、上半分がクリーム色で、下半分が緑でした。
土佐電気鉄道に譲渡された700形が下関時代の塗装に復刻されたときもこの塗装でした。

さて、管理人は大学生のころ、知り合ったOBの方から、山陽電気軌道700形の形式図のコピーを頂きました。確か、「鉄道模型趣味」誌の特集号、「TMSスタイルブック」だったと思います。
その解説には、
塗色は上半クリーム、下半マルーン
と書かれていました。
駅旅・ゆけむり研究室」様の列車アイコンにも、下半分が茶色の700形のアイコンがあります。

しかし、管理人は山陽電気軌道の電車がクリーム色とマルーンに塗られたカラー写真を見たことがなく、クリーム色と緑の写真と、広告塗装で下半分が赤に塗られた車両の写真しか見たことがありませんでした。

さて、最近当地では「下関市の昭和」という郷土資料的な写真集が発売されました。

(こちらです。amazonにもありました。表紙に早速山陽電気軌道の電車が写っています。)

書店でこの本の見本を見てみると、何と、本当にクリーム色とマルーンに塗られた700形のカラー写真がありました。
思わず「あったんだ」と声に出てしまいました。
管理人の中で、クリーム色とマルーンの塗装の存在が晴れて証明されたのです。



ここで気になるのが、「このクリーム色とマルーンの塗装は他の車両にも塗られていたのか?」ということです。
まず、google検索で見つけて資料として保存していた写真を、白黒写真をカラー化してくれるサイトに読み込んでカラー化しました。(こちらこちらを利用)
すると、下半分はマルーンになりました。

さて管理人の両親は、山陽電気軌道に乗って高校に通学していました。
しかし、聞いてみたところ父も母もマルーンに塗られた車両があったかどうかは記憶が曖昧でした。

白黒写真をカラー化して下半分がマルーンとなったのが正しいのであれば、昨年制作した100形(2軸単車)や、現在制作中の200形206号も含め、緑色に塗るとおかしいというケースが出てきそうです。

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昨年制作した100形109号

それとも、これはあくまでもAIによる機械的な色の変換なので実際は緑なのかもしれません。
また、下半分がマルーンなのは700形だけだった可能性も否定できません。

果たして、クリーム色とマルーンの塗装はどのように用いられていたのでしょうか?


2019/9/24 追記
本日書店に立ち寄ったので、「下関市の昭和」の見本を確認したところ、写真が掲載されていたマルーンの700形は703号でした。
そのほかの車両は、前述の109号も含め、全て緑色でした。